桜桃忌その後忌日なくもがな

 桜桃あうたうそののち忌日きじつなくもがな


【季語】

 桜桃忌(夏)


【語釈】

 桜桃忌――小説家太宰治(1909-1948)の忌日。新暦六月十九日。

 なくもがな――ないのがよい。


【大意】

 俳句の季語とする忌日は太宰の桜桃忌を最後として、それ以後歳時記に忌日を加えることはしないのがよかろう。


【補説】

 極論には違いないが、歳時記に載る忌日のむやみに増えることを憂えて。


【参考句】

 黄菊白菊其外そのほかの名はなくもがな 嵐雪らんせつ

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