彼我の間に通じて寒し龝の風

 彼我ひがつうじてさむあきかぜ


〔季語〕

 龝の風(秋)


〔語釈〕

「寒し」は冬の季語。


〔大意〕

 私とあなたとの間に秋の風が通り抜けていって寒いことである。


〔解説〕

 趣向はともかく、漢語を駆使して引き締まった文体にしたつもりである。他人とわかり合うのは難しいばかりでなくほとんど不可能といって良いように感じるのは私だけではないだろう。


〔参考歌〕

 君待つと我が恋ひれば我がやどのすだれ動かし秋の風吹く 額田王


〔参考句〕

 物いへば唇寒しあきの風 芭蕉

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る