第64話 私だけが無事じゃなかった
地震の1週間後、札幌で友達の結婚式があったので開催されるのか不安なまま帰省した。空港でしこたま単三乾電池を買い込んで飛行機に乗り、お土産は乾電池という状態で地元に帰ったのだった。
実家の近くも道路脇のマンホールこそ盛り上がっていたものの、液状化もなく(スーパー以外は)いつも通りの生活に戻っていた。
宴会場の配水管が破裂していて(結婚式が)1週間早かったらアウトだったと職員に言われながらも予定通り開催できてよかった。みんな無事でよかった。
そんな新婦は、6年半彼氏に(結婚)待てをかけての堂々のゴールインだ。
「そろそろ自分を許して幸せになってもいいと思うよ、結婚しよう」という言葉がプロポーズだったと結婚式の紹介アナウンスで流れ、彼氏さんの男前さに痺れた。
「私なんて…」が口癖で女らしいフェミニンなものを全力で避けミリ系やコンサバに走る友人が、絶対に選ばないであろうチェリーレッドのカラードレスを着ていた。めっちゃ似合ってたので褒めたら、彼氏が「僕が選んだんですよ」と満面の笑みで言ってきて、友人が相変わらずのツンデレっぷりを発揮していた。
「君に絶対似合うから!」と褒めまくり友人を乗り気にさせてお色直しに着させたそうだ。ぜひ彼氏さんには今後も彼女を全力で甘やかして、幸せな家庭を築いて欲しい。
彼女の結婚式も無事に終わり帰って来た翌朝、顔が2倍に腫れており、慌てて病院に駆け込んだところステロイド負けだと診断された。どうやら虫刺されで使っていた薬に入っていたステロイド剤に負けたらしい。結婚式(野外)でヤブ蚊に両瞼を刺されていたことも相まって相撲で優勝できそうな某ドルジな顔になっていた。
おまけに料理で堪能しまくった海老でアレルギーも発症したらしく、痒さが止まらなかった。私だけが無事じゃなかった。
最近便秘に悩んでいて、SAOを見ている夫から「早くトイレにログインしてきなよ」と言われる。うんこが尻からログアウトできない辛さを夫はもっと知った方がいいと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます