第51話 痛いの痛いの飛んでけー

まだ肩が傷む夫に「痛いの痛いの飛んでけー」と言っていたら、「そんなこと言ったらあなた飛んでっちゃうでしょ!」とコメントされた。夫の中では痛いの=痛い人ということがよーくわかった。だが私は痛いおくさんではない!と声を中くらいにして言いたい。(多少自覚はあるので控え目に言っておいた。)


痛いで思い出した。

俺のラノベコンテスト(その2)に出さないのかと聞かれたので、ジャンル不問だし日記でも出すかと思ったけれど、癖のある中に可愛さのあるメインヒロインが条件だった。癖はあるのは自覚しているが私に萌え要素はあるのか。しれっと出すとそういう意味でもチャレンジになりかねないので躊躇している。


自分で「アテクシ可愛い\(^o^)/」と言って投稿するとかめっちゃ自己評価だけ先行してるチャレンジャーじゃん…。

そもそも文字だけじゃ可愛いかどうかなんてわからないだろうが。

ブサイクだと殴り飛ばしたくなるようなことも顔がよければ不思議ちゃん枠になりえるので、せめて文字の上では外面をよく保っていたい。


…ふぅ。


こんなことをつらつら書いていたら、昔働いていた会社の取引先の営業で出会い系サイトのサクラをしていたハゲがいたのを思い出したのでそのことを書こうかな。


まだ初々しい新入社員だった頃のことだ。営業所で事務員をしていた私は、さまぁ~ず大竹に似た営業の先輩(以下、大竹)に勝手に出会いの場を作られたことがあった。今だったら言い返せるが「新人で何もできないんだからこのくらい会社(と俺)に貢献してよ。」と大竹に言われ、右も左もわからなかった当時の私は、会社を辞めてまた無い内定と終わらない就活の日々に戻ること恐れ、素直に「ハイ」としか言えなかった。


そして、(なぜか1:1の)厳しい合コン当日が来た。


待ち合わせ場所に居たのはコミュニケーションと生え際を拗らせた細身のザビエル眼鏡だった。社会人になったら多少は合コンの質も上がると思っていたが、斜め上の方向に上がってしまったようだ。本当に残念でならない。


「出会い系サクラのバイトで鍛えた俺のメールテクで、お前もイチコロだぜ!」とザビエルが息巻いてしつこくアドレス交換を迫ってくるので、私は根負けして交換してしまった。教えたのは大竹の直アドだが、きっと賢いザビエルは気付いただろう。今振り返ると、そのメールテク(笑)を体験していたらもっと文章にメリハリがあって面白くなったかもしれない…もったいない事をした。


アドレス交換を渋っていた時の攻防戦で、億単位の売りが立って何より俺の成績がダイレクトにアップするので、という理由で先輩に売られたのだとザビエルがニヤニヤしながら教えてくれた。それなら直アドくらい安いものだろう。大竹絶対に許(以下略)と細やかな抵抗をした私GJと思いながらその日は家路についたのだった。



後日談だが、大竹は色恋営業のヤキが回り、別の取引先のバ(アッー!)イヤーから暫く背後を狙われることとなったのだった。


(営業)車に枕も用意してあげればよかった。

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