第49話 きっと満月だったからだろう

今朝、最近女神転生にはまっている夫から「夜中寝言でムきょきょ…げきょ…ぐゲゲゲとか言ってたよ。遂に人間辞めたのかと思った。」と言われて震えている。

きっと満月だったからだろう、と思いたい。


震えているといえば、最近の肌寒さもそうだがこんなことがあった。


Fleshな趣味の店で話が盛り上がりご近所さんだということが分かった常連客(♂)に連絡先を聞かれ、普段使っていないからいいかと捨てアドのような気持ちでSNSを教えたら、どうやら更新を全チェックされているくさいダイレクトメッセージ(締めにご飯のお誘いつき)が届くようになった。とりあえず店主と一緒じゃなきゃ行かないよ☆と全力でブッチするのが最近のホットなタスクです。


思わずですます調になってしまった。

こういう面倒くさい人に限ってブロックしたら逆上しそうで怖いので華麗にフェードアウトしてゆきたい。(独身者ならわからなくもないけれど)既婚者の私になぜこんなにイケイケなのか。共通の知り合いが店主しかいないので悪いと思いつつも愚痴ったら、女だったら誰でもという人らしいことがわかった。文字にしてみると割と力強いな。まるで菊池〇行の小説みたいな奴だなおい。


面倒くさいといえば、マダムから誘われた読書会のお題が漱石だったのでとりあえず読んでみたら主人公のあまりの面倒くささに1章で心が折れかけた。

いい大学出たのに就職浪人、人一倍プライドが高い主人公(こじらせ系)が人の仕送りでそこそこいい感じの東京の下宿で暮らしながら「平凡な毎日がつまりません!」とクダを巻きながら(ヘタレなので)結局何もしないという日常系ニート日記が繰り広げられていた。


非日常というのは、残念ながら日常をにないがしろにしているやつには認知できないものだ。(日々の生活と非日常の)差がばっきり割れていなければ色の違いをわからないのと一緒だ。そもそも非日常を繰り返していると、それがいつしか当たり前になり日常に取って変わってしまうので平凡な毎日しか存在しなくなるものなのだ。


憧れは憧れのままで心にしまっておくほうが幸せだということもある。


しかし書き手のレベルが異様に高いと、ニート日記も純文学になるのかという衝撃を受けた。文字にするとこっちも力強いな。


でもなんだろう漱石のこの既視感。

でもなんだろう漱石のこの村上〇樹との親和性が異様に高そうなアレな感じ…。

わかっていたけど思った以上だよ!


いつもこじらせた系とか暗い作品しか取り上げない読書会なので誘われても辞退を続けていたのだが、今回は会場が気になってたオサレ喫茶店だったから行きたくて課題図書を読むことにしたのだ。


その作品は「彼岸過迄」という。


あと200ページ強を読むのが苦行で、半ば現実逃避にこの日記を書いている。

ふぅ。書き終えたので気分転換にこれからスーパームーン見ながら花見してこようそうしよう。

こんなことを書いたのは、きっと満月だったからだろう。



なんていうか、平凡って素晴らしいね!

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