第43話 濡れているのは酒のせい
正月明けから寒さが続いたせいか、夫が適当な理由をつけて風呂を回避しはじめて10日ほど経った。10日目に抱き着いた時、しいたけみたいな臭いがしたのでその事を伝えたところ寝る前にそっと入ってくれた。よかったよかった。
そんな夫は出張に行った。
出張先ではきっと風呂に入ってくれるだろうって信じてる。
と書いたところで数日放置して、今続きを書いている。
昨晩夫から珍しくフローラル系のいい匂いがしたのでくっついて思いっきり吸い込んでいたら、入れ込み過ぎた競走馬のフレンズといわれた。
理由は布団に入った時のおくさんの鼻息がアライかららしいのだ。
そんなのおかしいのだ。
おかしいといえば、最近ウチに遊びにくる近所の大学生から新たな夫情報を仕入れたので書くことにする。
一昨年の年末のことだ。
身バレに繋がるので理由は書けないが、夫引率の下で近所の大学生が知人何人かと一緒に中国に旅行に行ったことがあった。福岡経由で上海に渡る前日の夜、飲み明かすから宿は取らないと豪語した夫は意気揚々と中州に消えていったそうだ。
そして翌朝。
待ち合わせ場所(空港)に来た夫は、股をぐっしょりと濡らして登場したそうだ。
地元のホームレスから、柱の裏は警備員に見つかりにくくゆっくり寝れるという情報を仕入れその通りにスヤスヤしたら、目覚めた時には既に濡れていたそうだ。
屋内で催していなかったのがせめてもの救いだ。
「えっ、まさか飛行機そのまま乗ったの…!?(夫は珍しく)着替え持ってってたよ!?」と(大学生の)彼に聞いたら、「はい…。」という答えが返ってきた。
予想はついていたよ…。
「酒をこぼしたんだ」と言い張る夫に、敢えて突っ込まないでくれた彼の大人な対応を聞き、私は胸が熱くなったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます