第39話 クリスマスと漢の競技

夫の会社の忘年会が終わり、「これ処分しといて」と座席表のプリントを渡されたが、席順がまさかの動物占いで分けられていた。コアラと羊が異様に席数が多かったのがウケた。忘れられない飲み会になった。ちなみに夫の動物占いは黒ヒョウだそうだ。


そんなことは置いておいてだ。

最近一人でいる時間が長いので、コタツに入る前にコタツの中の臭いを嗅いでクサい顔になりながら入っていく遊びを思いつき遊んでいたら夫にその姿を見られてしまい溜息をつかれた。クリスマスは今回日曜だけど一緒に居られるのだろうか…。


クリスマスといえば、うん。

今回は昔ぼっち過ぎて我慢大会をしていた時の事を書くことにしよう。


まだ大学生の頃の話だ。友達に軒並み彼氏が出来て(以下略)、クリスマスぼっち確定の者達で飲み会を開いていた時のことだった。友人の一人が札幌に来てからクリスマス我慢大会というものを始めたらしく、3冠目をかけて今年も挑戦すると言い出した。本人の名誉のために補足しておくが、花火の時の男友達とは別の友人だ。


クリスマス我慢大会とは、イルミネーションが輝きクリスマスマーケットが開催され一人身での通行が(いろいろな意味で)困難になるクリスマスイブの大通公園で、冬の寒さと一人身の寂しさに震えながら己の極限を競うエクストリームスポーツだ。

なお記録は自己申告制なので己の正直さとハートも同時に試される漢の競技である。2冠を取った時、友人は勝利の余韻に浸りながら孤独に帰ったそうだ。

震える。


去年の話をあらかた聞いたメンバーは、どうせぼっちだし(以下略)ということと、酒の勢いでエントリーを決めたのだった。


そしてクリスマスイブ当日、イルミネーション輝く夜の大通公園に集合した私たちは事前の打ち合わせ通り、各人場所が被らないように選んだ区画にスタンバり競技を開始した。勿論お互いに連絡はなしだ。なんだか吉野家コピペのようでむず痒いが、漢の競技に慣れ合いは不要なのだ。


大通公園はテレビ塔の下を大通1丁目とし、端が大通12丁目と東西に長く1区画=1丁分となっているだだっ広い公園だ。観光地として整備されているので木も少なく、立っていると氷点下のビル風が容赦なく吹き付けてくる。

開始10分、あまりの寒さに「そういや私女だったわ…」と頭が正気に戻った私は、早々に離脱をキメたのだった。


後日また同じメンバーで飲み会があり、いつもの店で結果報告をしたところイケメンだけどヘタレすぎて彼女ができない後輩が最後まで残り優勝した。

彼はその後、勝利の余韻と寒さでハイになり、JRタワーの展望台というカップル度100%のスポットに突撃し、上から街を眺めながら「フハハ人がゴミのようだ!」と言おうとして「俺がゴミのようだ!」と言ってしまうという大変においし…いや悲しい思いをしたそうだ。これでは彼(の心の中)だけ戦場のメリークリスマスだ。


寒い日が続くが、心を強く持っていきたい。

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