第24話 悪女への道
「自慢の悪女」という自主企画に出してやった!
希代の悪女におれはなる!(ドンッ)
どれまずは座学から…ということで、さっきまで黒革の手帳を見ていた。
武井咲の着物、絶対あれ1着100万オーバーしてるぜ。
二重太鼓がでかすぎな気もするけど、あぁいうゴージャスなのに一度袖を通してみたいものだ。そのうち誰か親切なお金持ちがきてプレゼントしてくれないかなぁ。石油王とか。(アイスの蓋をペロペロしながら)
ところで夫が、けものフレンズの再放送が始まったことを知ってニヨニヨしながら
「きみはいったい何のフレンズなの?」聞いてくるので、
「おくさんフレンズだよ!よかったね!」と破れかぶれで言い放ったら
ドン引きされた。話振ったのそっちなのに…!
それにしても悪女かー。
「『頭が悪(い)女』ならすぐになれるよ!」と横から言ってくるのはとりあえず無視しよう。自分としてもそんなモテモテ男の子牧場とか作った訳でもないし、書くことないなぁ…とうんうん悩んでいると、夫から「マッドな子供時代あったじゃん。」と返ってきた。あぁ、うん、書くか。
今は虫が大嫌いで、ちょっとでも虫が出ると「ヒッ!」とか短い悲鳴を上げるくらい
耐性のない私だが、小さい頃は寧ろ大丈夫な方で進んで触る側にいた。
今回はそんな時代の話だ。
当時ニチアサが大好きで科学者になりたかった無邪気な幼女の私は、
「自然との共生って素晴らしいよね!」と、捕まえてきたなんかのサナギをぱっかり開いて自分で適当に抽出した謎の雑草の汁を入れて「これでハイブリッド昆虫ができる!(確信)」と縫合してみたり、捕まえたトンボの尻尾から次々と神経を引っこ抜いて、代わりに似たサイズの松葉を突っ込んで「これで負傷しても治せるから大丈夫!」とちゃんと飛ぶのを確認したりしていた。ショッカーかよ。
子供だったら皆、一度はコオロギを虫かご一杯に捕まえて共食いさせちゃったりとか、アリの巣に水鉄砲の水をぶち込んで壊滅させたりしたことくらいあるだろうからまぁ割と普通だろうと思っていたけれど、文字にしたら思いの外インパクトが強かったので自分自身でちょっと引いている。
今思うと、本当に生物系で学位を取らなくてよかったと思う。本当に。
なんというか、悪女への道は遠い。
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