第6話 元来私は職場運が悪く

夫が最近、アホガールを見て私の事をよしこ呼ばわりしてくる。

いくらバナナ会社で働いていたことがあるからって、解せぬ。

今回はちょっと昔の話をしようか。


これは私がバナナを右から左に流し、正しくピンハネを貰う仕事をしていた頃の話だ。

同僚にちゃん子(仮名)という女がいた。

何から何まで規格外の女で、会社に10cmのピンヒールとひざ上25cmのワンピース、

網タイツにメガ盛の髪、全く隠すことのないトカゲ(?)の刺青で出勤をしていた。

そして極めつけは、某デラックスに顔と体型が似ていた。


彼女は惚れっぽく、細身のイケメンをみたら自慢の腕力を使い、強引に口説いていた。念のためどのくらいの腕力かを書いておくと、15ポンドのボーリング玉を持って、更に13ポンドのボーリング玉を好きな男の代わりに持ってあげられる程度の腕力だ。ますますわかりにくくなった気がするが、まぁいいか。

なお、既婚未婚は問わなかったため、職場の男性からは赤カブトと呼ばれていた。

同僚達よ、お前らは流れ星銀か。


ちゃん子の偉業は枚挙に暇がない。

休憩室でセルフ緊縛写真(18禁)を芸術作品と称して男に見せたり

お気に入りに声をかけ、彼女の家で宅飲み(但しつまみは唐揚げしか出ない)を開催したり

くたびれたおっさんとの情事の写メを見せつけてきたり

愛妻弁当を持ってきた既婚者のイケメンに自作弁当(大盛マヨ丼)を作ってきて目の前で食べるのを強制したり

夏場に「暑い」と言いながら職場でエクストリームで網タイツを脱いだ後、コーラを3Lほど一気飲みしたり

安請け合いした仕事を私や同僚に全て押し付け、自分だけ定時上がりし(←平均残業時間100時間程度の会社)出会い系で釣りあげた男で荒稼ぎに行ったり

まぁ、いろいろあったのだ。

本当に色々と。


前置きが長くなってしまったが、なぜ彼女がちゃん子と呼ばれるようになったかが一番ライトな話なのでここに書くことにする。他のは洒落にならん。


ぶっちゃけると、ビジュアルのせいではない。

ある日給湯室で自作ちゃんこ鍋をほふほふしていたからだ。

その姿が妙に堂に入っていたことと、当時会社内で班の名前を呼ぶ際に

担当エリア+チーム(例:東京チーム)で呼んでいたが、彼女のせいで

ウチのチームだけ部屋呼ばわりされ定着したことから、ちゃん子と影で呼ばれるようになったのだった。


おかわりいただけただろうか。

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