第60話 カクヨム戦線異状あり21 最終決戦
ついにその日が来た。
私小連隊長と文豪軍曹の率いるラブコメ軍は、五大勢力との最終決戦を決意する。
兵力の圧倒的に劣るラブコメ軍は、異世界侵略軍と未成年兵士をバリアしてくれる『ノベル0 Ⅱ』の効力が残っている間にしか、最終決戦という勝負はかけられないのだった。
左翼のトムズキャット軍とシテン軍は宇宙人と未来人に対峙している。
敵側の中央にいる異世界侵略軍は『ノベル0 Ⅱ』のバリアの効果で動けないはずである。
私小連隊長率いるラブコメ軍は、右翼の魔王軍とあやかし軍の、それも成人以上の兵士だけを撃破すれば良いのだ。
私小連隊長が突撃の号令を発した。文豪軍曹が真っ先に駆け出す。
魔王軍とあやかし軍側からも兵士が飛び出してくる。
互角の兵力なら十分に勝機があるはずだった。
両勢力の先鋒が激突する。先鋒に続く兵力が双方共に飛び出してくる。
その時、私小連隊長は違和感を覚えた。敵側の兵力が異常に多いのである。よく見ると一見未成年としか見えないような兵士もいるようだ。それどころか、中央にいて動けないはずの異世界侵略軍からも一部の軍隊が進撃している。
「いったいどうなっているのだ」
私小連隊長はそう叫ばずには居られなかった。『ノベル0 Ⅱ』の効力により兵力は互角と思い込んでいたのに、あてがはずれてしまったのである。
既に激突してしまっているので後の祭だった。圧倒的な兵力差により、ラブコメ軍は徐々に追い詰められ後退していく。
一旦後退しはじめると、歯止めがきかなくなる。やむを得ず私小連隊長は、殿をトム隊長とシテン隊長に依頼して撤退の号令を出す。完全な敗北だった。
私小連隊長達は撤収後、今回の敗因を分析することにした。何故『ノベル0 Ⅱ』が作動しているにも関わらず、敵側の兵力が予想以上に多かったのか? 『ノベル0 Ⅱ』は効力を発揮しなかったのか?
分析結果、『ノベル0 Ⅱ』は確かに効力を発揮していたことが分かった。
異世界侵略軍に関しては、転生因子のみ排除してはいたのだが異世界そのものを排除するものではなかったということ。
未成年兵士については確かに排除していたにも関わらず意外と成人したての兵士が多く、予想以上の兵士がバリアを越えて来てしまったのだった。
私小連隊長は自身の見通しの甘さを恥じた。そして今回の完全な敗北を受け入れながらも、次回は必ずや雪辱することを誓うのである。
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