僕けっこう、
怖いっていう感覚マヒしてると思ってたんです。
いや、ちょっと……ほんと「閲覧は、自己責任で」としか言えない……。
怖い。
ほんと怖い、
怖い。
祟りや心霊系が好きな方には、たまらないです。もうほんとう、たまらない。
でも、中盤……読んではいけない(気がする)話があるんです。
不意打ちだったんですよ、怖い。
あの話を読まれた皆さん、……ご無事ですか?
何気ない日常、ぬぅっと浮かぶ、怪。
見知らぬ土地、あとをつけてくる、ぶきみな何か。
『得体』を伏せられていても、なんとなく『解って』しまう。
ズゥン……と頭が重くなってきて、息苦しくなる。
真夜中に読むと、外の物音にいちいち反応してしまう。
はあ、怖い。
怖かった…………。
ところで、ひとつ気がかりが……、
作者さん音沙汰が無いんですけど、ご無事でしょうか……。
何とも無いよと、全力で「否定」してほしい。
夜のコンビニ、留守番中の自宅、バイト先の更衣室、駅のホーム、マンションのエレベーター……そんな日常の延長上の場所で遭遇した奇妙な体験談を集めた短編集。
体験談という形式上、怪異を目撃した語り手が死んだり殺されたりするという派手な展開はないものの、淡々と語られる恐怖体験の数々は、我々が日常で訪れる場所が舞台ということもあって後を引く怖さを残します。
また一つひとつの話が独立しているようでいて、作者の追記によれば本作は何らかの仕掛けが仕込まれているらしく、作品に隠されている「何か」の正体を探しながら読んでみるのも面白いかもしれませんが、もちろん何も考えずに普通に読んでも充分怖さを味わうことができます。
ここ最近は暑い日が続きなかなか寝苦しい日も多く、そんなときは寝る前に本作を数編読んでみると涼しい心地になれるでしょう。
もっとも今度は違う理由で眠れなくなるかもしれませんが……。
(四字熟語っぽいタイトル四選/文=柿崎 憲)