あっさり。
ご飯は食べ終わり、俺は風呂にも入った。
後は二人で昨晩のように色々な話をする時間だ。
告白するとしたら今しかない。
そう誰かに言われた気がしたので、隣の布団で寝ている美玲に声をかけた。
「なあ、美玲」
「なーに? 」
「俺、お前のことが好きだ」
「は? ちょっ、ま」
美玲はかなり動揺していた。
もちろん、振られるのは分かっている。
この15センチもあいた布団の距離がお前は振られる、と告げているから。
布団がピッタリとくっついていたら、成功したかもしれない。
「慎一、今なんて言った? 」
「だから、美玲のことが好きだ。付き合ってほしい。お前に好きな奴がいるのは分かってるけど、どうしても言いたくて」
美玲は俺に背を向ける。
そして、何かを言っている。
「な……なの。……ない。」
「美玲? 何言ってるか分からんのだが……」
「私も……好き。だよ? 慎一のこと。ずっと、ずっと昔から、好き、だよ? 」
「へ? 」
「だから、これからは彼女と、して? よろしくお願いします……」
俺の告白はあっさり成功してしまった。
次の日。
おはようございます。
えっと、今日は13日ですかね?
なんか、昨日の夜に告白が成功して、美玲と付き合うことになった。
うん。
何この、なんとも言えない感じ。
美玲がノートにあんなに書いてたのは俺のことだったとか、嬉しいような、恥ずかしいような。
とか、考えたらどうしていいか分からなくなって……。
あ、美玲が起きた。
「んー……。慎一ぃ、おはよぉ」
「おう、おはよう」
……。
どうしよう。
なんか、変な気を使ってしまう。
付き合うって、これで良かったんだっけ?
あれ。
わかんなくなってきた。
とりあえず、いつも通りに二人で登校してきた。
俺達の関係が一夜のうちに大きく変わったことを知るものは誰もいない学校に。
関係が変わっても学校でいちゃついたりする訳では無いので、何も変わらない学校生活を送った。
帰り道、二人で色々話したが、何も変わらないね。
って話をした。
「あ、俺たちってさ、昔からほかの人たちよりも仲が良かったからあんまり付き合っても変わらないのかも」
「確かに。ほかの人たちは片思いの時はすごく仲がいいって訳じゃないもんね。見てる限りの話だけど」
「でも、俺達は幼なじみってだけあって、元々関係が深い? って言うのかな。そんな感じなんだよな」
という感じで、特に何も変わらない生活にちょっとだけ変化が起きた。
恋人ができた、というだけだが。
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