母との会話は、私の自動翻訳がかかっております。
日曜日に試験がある。
今日、母に「その爪の色、試験までに取ったほうがいいと思うわよ」と言われた。
「なぜ?」と素朴な疑問を投げかけると、「その爪の状態で、試験会場へ行って、止められたらどうするの?ただでさえ、厳しくて細かいルールばかりあるというのに……」と嫌そうな顔をした。
「え、試験のどこにも見た目の話乗ってないよ……」
「それでも、そっちの方がいいわ」
ちょっとムカっとし始める。
「それは、あなたの考え、想像よ。どこにも書いていないのに、どうして落とさないとダメなの?」と口答えをしてしまう。
(ぐっ……返事をしたら、酷くなるとわかっていたのに、紅蛇、よくもそんな返事をしたな……!!!)
「だってシンプルな方がいいでしょ。普通の状態で行くべきだと思う」と答えるのであった。
アホかと、ツッコミたくなったのを抑え、普通とは、シンプルとは何かを問いたくなった。
「シンプルってどういう状態のことを言うの?」
「爪に何も塗らないで、真っ赤なルージュも、香りの強い香水もない、綺麗な状況。メイクとかも、ない。クリームだけは軽く塗ってもいいけどね。それがシンプルで“普通”の状態」なんて……。
私、その答えに賛成も、頷けもできない。
普通じゃないもの。
爪に色を塗るのは、私にとって、大事なことである。女性の方々がメイクをするのも、同じ。
その状態が、私の、彼女たちの“普通”というのに……この女はっ!!!!
むむむっ……。
今日は朝からムカムカしてばっかの日だった。ムカつく。落としたくない。せっかく綺麗に塗ってあるのに……。
見た目の話は、して欲しくないわ。コンプレックを隠すために、綺麗にメイクをする人もいるのに。何だか、彼女たちを、自分まで貶された気がした。
む……。
ムカつくから、もう忘れることにする。
疑問を投げかける事は、ダメなことなの?
まぁまぁ、落ち着きたまえ。ふぅ……。
それよりも、日本語に会話を直すと、なんだか違う感があって、ムズムズする。
母の口調、ちょっと違うな……。
まぁいっか。
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