私は、あまり「女々しい」という言葉が好きではない。
百合の花は、私にとっては苛つき、憎しみの対象でしかない。
それは聖母のようでいて、純粋な、処女的なものであるから。
まるで、私は汚れたものを何一つ知らないというかのような、純白の花びら。錆色の花粉のみが、彼女たちを汚すことができる。
蕾が花咲かせたら、花粉の塊を取らないといけないんだ。じゃないと、花びらが、指先が、汚れてしまうから。
窓辺に飾られた彼女たちは、私を無垢な笑顔で笑い、私は静かに貶す。
私は彼女たちが、茶色く花びらを変色される時が、一番美しいと思っている。
枯れた葉のようでいて、それでさえ、美しさを放っているから。羨ましくて、憎たらしい。
きっと、彼女たちには気にしてくれる人がいて、枯れてもなお、愛してくれる人がいるから。いや、それ以上に、彼女たちは自分の美しさをわかっているのだと思う。
ムカつく。
煌めく輝きは、私にはなく、ただただ、無駄な装飾品で固められているだけなんだ。言葉が私を彩り、形作り、見つめる。
私は、何一つ変われない。
個人的に、日記はどんな変なものでもいいと思っている。一文字一文字に段落を開けて書いても、詩でその日を気持ちを表しても、絵だとしても、大丈夫なんだ。
日記は、その人にしか書けないものだから。
自分の人生は、自分で決める。
自分の書く言葉、思うことも、そう。
登場人物には、人生があり、彼らには、彼らの日記がある。
そして、ここに書き記しているものは、私自身の日記である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます