九月十二日

 谷川の近くの小さな学校に転校生が来てから数日後の、強風の朝。胸騒ぎがして早く登校した一郎と嘉助かすけが、教師に尋ねました。

「先生、又三郎きょう来るのすか」

「高田さんは風邪で欠席です」

「又三郎、休み多いな」

「よく風邪ひくな」

「やっぱりあいつは、また風邪の三郎だな」

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