お前だったのか3

 ある雪の日、狐は町へ手袋を買いに行きました。帽子の看板が出ているお店をノックすると、顔を出した帽子屋さんが言います。

「ごん、お前だったのか」

 兵十ひょうじゅうは、町へ移住して帽子屋に転職したようです。狐のごんが持ってきた手袋の代金は、秋の間に収穫しておいた栗と松茸です。

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