北極星

「君への愛を、あの月にかけて誓おう」

「いえ、日々形を変える不実な月に誓ってはいけませんわ」

 若者は考えた。

「では、常に真北で輝く北極星に誓う」

 娘は首を横に振る。

「地球の回転軸が動くから、数千年も経てば、今とは別の星が北極星になるわ」

 数千年くらい許容してくれ。

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