皆既月蝕

 ロミオはジュリエットに言いました。

「君への愛を、あの月に掛けて誓おう!」

 しかし、その夜はたまたま皆既かいき月蝕げっしょくで、月の光がかげり、端が欠け始めました。

「あなたの愛は、あんな風に欠けるのね……」

「い、いや! 時間が経ったら元に戻るから!」

 必死に取りつくろうロミオでした。

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