猿の手

 猿たちが炬燵こたつに入って蜜柑みかんを食べながら、雑談していた。

「有名なホラー小説の『猿の手』を読んだんだが」

「あー、三つ願いが叶うんだっけ」

「怖かった?」

「……猿の前脚まえあしが斬り落とされてミイラになってるのが、一番怖かった」

「……怖っ」

 猿たちは、炬燵の中で震え上がった。

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