たはむれに母を背負ひて

 ちょっとした思いつきでお袋をおんぶしたところ、予想外に軽くて驚き、三歩も進むことができなかった。お袋も年だなぁ、と涙ぐむ。

 背中からも赤子みたいな泣き声が聞こえてきて、まるで石のように重くなった。しまった、お袋じゃなくて子泣こなじじいだったか。俺を圧死させる気か。

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