親分てぇへんだ!

「親分てぇへんだ!」

 子分が親分宅に駆け込むと、親分は涙目でうずくまっていた。

「……どうしたハチ」

「むしろ、どうしやした親分!」

箪笥たんすに、足の小指をぶつけてな……お前、少しは空気読め」

「これがホントの『泣きっ面にハチ』」

「うるせぇ!」

 親分は子分に銭を投げた。

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