甘い夢が覚めても

作者 早瀬翠風

薔薇から抽出して作られた香水のような恋

  • ★★★ Excellent!!!

イギリス社交界に咲いた一輪の薔薇の花のような恋物語です。

まるで「風と共に去りぬ」のような上質な洋画のような物語。

ふたりが出逢うマナーハウスの情景が目の前に広がります。
薔薇の芳しい香りが立ちこめる。
ジャムやパンの匂いも漂ってくる。
朝露は自分の手元を濡らすかと思えるほどに。

心情描写は胸に直接響いてきます。
彼の思惑は?
周囲の反応は?
彼女が戸惑いながらも願う本当の夢は?
「冷たい青い薔薇」と揶揄される彼女の心の色は?

ゆっくりとゆっくりと。
薔薇から時間をかけて香料を抽出して作る香水にも似たふたりの恋。
大人の情愛シーンは耽美で甘やかに。
うっとりとそれこそ夢のように香り高く物語は紡がれます。

物語を追ううちにいつしか彼女の背中を押してあげたくなってくることでしょう。

タイトルの『甘い夢が覚めても』
この続きをあなたならどう綴りますか?

優雅に。優美に。優麗に。
大人の濃密な恋物語を大人のあなたに是非。

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