甘い夢が覚めても

作者 早瀬翠風

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★★★ Excellent!!!

何処から、この素晴らしい作品の説明をしたら良いかと悩みます。

まずは、美しい地の文章でしょうか。
幻想的な描写もありますが、心情を比喩する能力が異常なまでに長けている。場面に合った心理描写は読み手が期待している言葉をストレートに書かれています。登場人物の心を多角から描写する手法は一級品と言わざるおえないでしょう。

物語の構成も、出だしから読み手を引き込む要素が沢山撒かれており、自然と読み進めてしまう。ここで重要な物語進行の秘訣のようなものがありまして……疑い出したら切がない恋人の心情です。この人は悪人なのか。それとも信じてよいのか。

私は拝読中に最悪の展開を予想しました。すべて策略。すべては偽りの……

最後まで何かが破綻してしまい壊れてしまいそうな、綱渡りの精神で読み耽てしまいました。

どんな内容かは、どうか読んでみて下され。

波乱な展開と美しい世界に誘われてみてはどうでしょうか?

一読必見です。

★★★ Excellent!!!

イギリス社交界に咲いた一輪の薔薇の花のような恋物語です。

まるで「風と共に去りぬ」のような上質な洋画のような物語。

ふたりが出逢うマナーハウスの情景が目の前に広がります。
薔薇の芳しい香りが立ちこめる。
ジャムやパンの匂いも漂ってくる。
朝露は自分の手元を濡らすかと思えるほどに。

心情描写は胸に直接響いてきます。
彼の思惑は?
周囲の反応は?
彼女が戸惑いながらも願う本当の夢は?
「冷たい青い薔薇」と揶揄される彼女の心の色は?

ゆっくりとゆっくりと。
薔薇から時間をかけて香料を抽出して作る香水にも似たふたりの恋。
大人の情愛シーンは耽美で甘やかに。
うっとりとそれこそ夢のように香り高く物語は紡がれます。

物語を追ううちにいつしか彼女の背中を押してあげたくなってくることでしょう。

タイトルの『甘い夢が覚めても』
この続きをあなたならどう綴りますか?

優雅に。優美に。優麗に。
大人の濃密な恋物語を大人のあなたに是非。

★★★ Excellent!!!

イギリスの社交界で、「冷たい薔薇」と呼ばれる公爵未亡人のアメリアは、本当は庭いじりやジャム作りが大好きな素直で可愛らしい女性です。
そんな彼女が笑わない理由。
それは、欲しいものを求めることが許されないから。

けれども、彼女の思いを心の内に固く縛りつけているのは、彼女自身の頑なな倫理観や周囲のしがらみに他なりませんでした。
そんな風に雁字搦めになった茨を、クイルが優しく、時に情熱的にゆっくりと取り除いていきます。

それに加えて、アメリアの幸せを願う存在が大樹のように周囲の環境から二人を静かに守ります。

ゆっくり、ゆっくりと彼女を絡め取る茨が取り払われ、蝶が羽ばたき、薔薇が綻ぶ。
そんな様子を甘く美しく描いた素敵な作品です(*^_^*)


★★★ Excellent!!!

おじさまが最高にかっこよくて、憧れます。
そして、貞操観念に縛られたアメリアが思い悩む中、クイルにときほぐされていく流れがたまらなくエロいです(笑)。

すべてを知る老紳士はきっと、ブランデーを舐めながらも、同時に別の愉悦を覚えていたに違いありません!