サーヤと少年②
「寒っ!」
学校を出ると冷たく乾いた風が
「もう薄着は出来なさそうかな」
この世界の季節感はわからないけれど、この寒さから考えるともう汗が止まらなくなるほどの厚さになる日はしばらく来ないだろう。
そんなことを考えながらトボトボと歩いているとエグエグという幼い声が何処からともなく聞こえて来た。
「この声は、泣き声?」
声の主を見つけるためにグルリグルリとあたりを見渡してみると、陽の出ている間は多くの子供たちで賑わっているのであろう公園に7歳から10歳の間くらいの少年が地面に直接座り込んでいた。そしてその泣き声もその少年の方から聞こえていた。
「こんな時間だし、放っておくわけにもいかないよね」
生前の癖でそう口にしたときには既に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます