闘士の秘密④
「名を奪われた闘士タイジュよ」
サーヤちゃんや明日夢のお陰で目を合わせなければ女性が平気になってきたある日、この身体の主人格である明日香が自分に声を掛けて来た。
「おたくが話しかけてくるなんて珍しい。自分に何か用?」
「我は、汝と会ったことがないか?」
「自分と? そんな記憶は無いけど。それに、自分とおたくじゃ住む世界が違うって話じゃなかった?」
「確かに、汝の言う通りではあるのだが。その口調どこかで」
「自分みたいな口調の人はどこにでもいるでしょ」
自分がそう否定すると、脳内に色あせた記憶が突然蘇って来た。
『女の子なのにここまで勝ち上がって来るなんておたく、随分強いみたいだね。でも、自分はか~な~り強いよ』
『自分の強さにおたくが泣いた……。おたく、大丈夫?』
『自分がやり過ぎたから。自分が、力を出し過ぎたせいで』
「タイジュ?」
明日香ちゃんが自分を呼ぶ声は聞こえた。でも自分は返事をすることが出来なかった。
「思い、出した。自分が女性に近づけなくなった理由」
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