闘士の秘密①

「ヌワァァァァァ!」


 洗面台の方から悲鳴が上がり僕は大きな溜息を吐きながら悲鳴が上がった洗面台に向かった。


「タイジュさん」


 洗面台の鏡越しに姉ちゃんタイジュさんと目が合った僕は呆れたように名前を呼んだ。


「す、すまない。自分は今まで女性というものに耐性が無くてな」


「もう何度も聞きましたよ」


 タイジュさんが目覚めてからタイジュさんは日に1、2度人格が表に出てくる(カインやサーヤさんは一日平均20回ほどである)がその度に鏡に映る自身の姿で驚き叫んでいた。


「生前は人類最強と恐れられていたのだが、情けない」


「弱点は誰にだってありますから。僕だって家事は出来ても勉強の容量は良くないですし、姉ちゃんは魔王を自称しておきながらホラー苦手ですし」


 僕は笑顔でそう言った。



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