姉ちゃんのゆかいな仲間達④

 リサイクルショップからの帰り際、


「封印は解かれていなかったようだな」


「神はボクを楽しませてはくれなかったみたいだ」


「ククッ、今はダメだとしても次こそは」


 そう呟いて店を出て行く三人を見てやっぱり溜息を吐いて来ると、店員の1人が僕に声を掛けて来た。


「一茶の友達です、よね?」


「はい、まぁ、一応」


「良かった。アイツ、まともな友達がいないと思っていたから兄としてホッとしました。これからもアイツと仲良くしてやって下さい。それと、この店にもたまには来てください。基本的には変なものしか置いていないですけどまともな掘り出し物もあったりするので」


「ウチも姉ちゃんがあんな感じなので近いうちにまた来ると思います。それでは」


 僕はイーサーの兄ちゃんに軽い会釈をして先に出て行った姉ちゃんたちを追った。


「今日はもう遅いし、みんなでファミレスでも行こうかな」


 いつもなら簡単でも何かしら料理をしないといけないという使命感が襲い掛かってくる僕だったが、今日はさすがに疲れたのか赤の他人でも良いから誰かの料理が食べたい気分になっていた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る