第6話 お外でどら焼き

 休日に二人で一緒に出掛ける日。

 買い物したり、公園に行ったり、ちょっと遠くの山や海まで行ったり。

 運動は得意じゃないから見る方が多いかな。いっぱい散歩して、スニーカーも何足も擦り切れるくらい。もうお遍路さんとかできちゃんじゃないかな?

 小さな体のどこにそんな体力があるんだろう? って不思議になる。


 散歩をしているとお店の前に休憩スペースを取ってくれている所がある。

 君はそういう所を見つけるとちょこんと座って一休みする。

 僕が中でお茶を買ってくる間、君は周りをキョロキョロして何かを探してる。

「どら焼き?」

 聞いてみたことがあるけど

「ちっ、違うよ」

 ちょっと照れたように否定されちゃった。

 椅子に二人で並んで食べる時間も僕にとって幸せな時間。


 だからたまにお茶と一緒にどら焼きを買ってくる。

 1日1度の貴重な時間。

 ここで使っちゃうと、和美さんの顔が良く見れない。

 他の人にどら焼き食べてる笑顔が見られちゃうのもちょっと悔しい。

 でもお外でどら焼きを美味しそうに食べてる姿を見るものまた格別。

 そんな僕の気はお構いなしに、君は小腹が空いてたのかペロっと平らげちゃう。

 もっと見ていたいけど、もうおしまい。

 また明日のお楽しみ。

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