第4話 尋ね人

そうと決めたら行動は早かった。

まずはSNSにジャバウォックと1人で戦闘する事を表明。

有名プレイヤーの1人であった為その事実はあっという間に広がり様々なコメントがSNSに寄せられた。


アスラは次にジャバウォックの攻略サイトを見て、ジャバウォックは火・雷属性の攻撃をする事と、プレイヤーの声を封じて大魔法を詠唱出来なくする技を駆使してくる事、そして闇属性の魔法に対して脆弱である事がわかった。


 攻略サイトを閉じるとアスラは衣装ルームから火・雷耐性の防具一式と、声を守るネックレス、そして闇属性の特殊な銃剣を選び出し、自らに装備した。


 「ピンポーン!」

誰にもマイルームのIDを言っていないのにインターホンの音が聞こえた。

誰か来るなど有り得ないこの状況だが、扉を開けてはいけないという理性より誰が来たのか見たいという欲求が勝ってしまった。

「ガチャ。」

扉を開けた先に立っていたのは黒のローブを装備した黒ずくめの『いかにも』な奴が居た。

ローブを深く被っていて鼻より上が見えないが骨格的には女キャラだろうという事までは推察出来た。

 怪し過ぎる為関わりたくなかったが扉を開けてしまったのだから話くらいは聞くべきだろうと思い、「何か御用でしょうか?」の一言を恐る恐る言ってみた。

 「ジャバウォックに挑むのですか?」

『いかにも』さんは自己紹介をするわけでもなく唐突にそう言った。

荒唐無稽にも程がある。

顔から感情が漏水したのがただただ感がいいのか『いかにも』さんが口を開いた。


「私は、このゲームの製作者の1人で名前は荒川南(あらかわみなみ)と言います。」

アスラは鳩が豆鉄砲を食ったような面持ちで言った。

「本物?」

 失礼な言い方だったが荒川南は気に止める様子はなく言った。

「本物です。嘘だと思うのでしたら現実で会いませんか?そうすれば信用出来るはずです。」

アスラは、現実で人と会うなんて引きこもりの俺なんかじゃ無理だと条件反射的に思い、すぐに断った。

そして、ずっと思って居た疑問をぶつけた。

「ゲームの製作者の人が俺に何の用ですか?」

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