第479話透析人間
少し涼しくなって透析後歩くのも気持ちがよくなりました。
しかし7年目になる膀胱の内視鏡検査の後、いつものように膀胱炎になって夜に4度も起きているのです。
初めは尿意が始まって目が覚めて我慢していると鈍痛から耐えれないものになります。
透析クリニックでは痛み止めや抗生剤を貰っていますがあまり効き目がなく続いています。
毎年の検査の起こる不思議な症状ですが、今年は検査後1か月半も続いています。
「点滴の抗生剤を変えてみましたがどうですか?」
この点滴の抗生剤も3種類目で初めて使うもののようです。
「室長いかがですか?」
編集長は理事になっても私のことを室長と呼びます。
「昼はいいんだが夜が寝れなくてなあ」
最近は理事長はNPOの団体の会長となってほとんどNPOにはいません。
総務部長の後釜も決まらず私が兼務している有様です。
私にはこの際曰く付の総務部を半分以下に縮小を密かに考えています。
「どうですか?これ理事長から頼まれたNPOの団体の新聞記事です」
私は座ると赤の訂正の入った原稿を読みます。
理事長はどのNPOも困っている行政からの天下りの問題をテーマにしたいようです。
大きなNPOは存在自体に行政の関連機関としての性格があり天下りが少なくないのです。
でも今は助成金は縮小して重みだけが残っている有様です。
「まだ総務部長の労働裁判中で書きにくいところだな。でもこれをシリーズとは大変だな。それよりネット新聞はどうだ?」
すでにベンチャー大手と今のフリーペーパーをネット化して配信を始めているのです。
「思ったよりのアクセス数で来年には紙の売り上げを超す勢いです。来週東京で打ち合わせ会議ですが室長も?」
「いや透析人間だからなあ」
この件もNPO内では反対が多かった事業です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます