第441話強行突破
透析初期の頃は血圧が140から160の間でしたが薬のせいか120台になっています。
そのせいか何となく体中が重く感じられます。
とくに透析後うまく水分を補給しないと眩暈を起こすことがあります。
その時は血圧は100を割ってしまっています。
欠伸が出てきたら赤信号です。
でも今日は3時半に幹部会議に間に合わせるので重い足を引きずって歩きます。
私は透析と労働裁判中と言うことで前の理事長時代にボランティアでNPOに参加しています。
理事長からNPOの先頭を走るので月給を取ってくれないかと言われて答えを先延ばしにしています。
教室のままに残されている会議室の引戸を開けるとすでに理事長を取り囲んで円形に幹部が座っています。
「ここ1年NPOの在り方を話し合ってきたがそろそろ結論を出してと思っている」
理事長は私にも結論を求めています。
「来月の給料から標準給与に基づいた第1階の調整を行う」
これは私が入って総務部とたたき台を作りました。
若手を中心とした給料引上げです。
「次に各部の責任者を明確にする」
とレジメが配られる。
総務部、事業部、広報部に大胆に分けられ、事業部が編集室、賃貸課、教室運営課、企画課に分かれています。
事業部長に私の名前が入っています。
「それぞれ各部ごと半期ごとの目標を定めた。これで評価する」
これは各部からすでに提出されたものを比較検討して目標値を決めました。
総務部と広報部は半分に人員が減らされ事業部に転籍です。
理事長は私も含めた全員を強行突破した感じです。
今までは給料を貰っていない気安さがあったのですがこれからはそうもいきません。
「腹を据えてくださいよ」
隣の編集長が笑っています。
いよいよ裁判も何らかの決着を考える時になりました。
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