第386話心室細動

「血液検査の結果ですが、カリウムが6.5と高いですね」

カリウムは5.5を超えると要注意と言われています。

「この状態が続くと、致死的な心室細動という不整脈が起こり、突然死の原因となります。しばらく薬を増やしましょう」

「心臓がどきどきするのですか?」

「その時は要注意ですよ」

そういう状態に最近はなることがあります。

心配になり今日は地下鉄に乗ってNPOに行きます。

「理事長がお待ちですよ」

編集長が久しぶりにIT一人社長とホームページの打ち合わせをしています。

この応接室ではもう7人が掛けると酸欠状態です。

「いや透析日だったんですね?」

理事長と新理事と事務長がすでに会議をしていたようです。

「まだ公表の段階ではないのだが、幹部代表が不正の発覚で辞表を出したのでもう時間の問題ですよ。人件費の削減を行ったところで、これからが勝負なんです」

私は経費削減を予想してすでに半月掛けて事業計画を立てています。

「会議室賃貸は今月で9割まで埋まりました。これで毎月利益が100万ほど出ます。ここにはシニア商品モニターの事業も新理事にお願いしています。これは3か月後には毎月利益が80万は読めています。編集室では半農半x教室とフリーペーパーで月500万を達成しています」

「さすがだな」

「経費の圧縮は450万ですからまず全体で利益が出る状態になります」

「今後は?」

「今交流会に8割任せているのを、半分は利益の出る自前の教室にすること。それで半年のうちに一般社員の給与水準を中小企業並みに戻します。そこから再生ですね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る