第349話室長

透析を始めてちょうど1年が経ちました。

毎週週3回4時間は恐ろしく長い時間だと思っていましたが、不思議にそのリズムに慣れてきたようです。

逆に今までよりも時間が素早く過ぎていくように感じます。

「薬塗った?」

女房がパートの研修期間が済んで少し慣れてきたようです。

透析とパソコンのしすぎで指が腱鞘炎になっているのです。

昨夜も朝から8時間助成金の申請を3件仕上げてメールでNPOに送りました。

今日は透析後、立ちそばでお昼を済ませてNPOに行きます。

今日は理事長の提案で編集室を事業開発室としてスタートです。

元々編集室の女弟子と今回事務局からベンチャー志望の大卒1年目の彼が手を上げてきました。

「しばらく流れができるまで4人で出来るだけしたいと」

15年ぶりの遅い朝会です。

「フリーペーパーの次の号の準備は?」

「特集としては先日の説明会で行きます。説明会で即決の5NPOから取材を始めています。これは彼女を中心に。私はベンチャー誌にゲラを送って話を始めています。助成金の申請準備はどうですか?」

「これはしばらく私がするしかないと思います。彼にはワードの雛形を作ってもらっています」

と言いながらスケジュール表を見せます。

「私は透析があるのでどうしても申請立会いは全員で分担お願いします」

「もちろん!室長」

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