第229話振り出しに
大川沿いをゆっくり歩いてシニアNPOの談話室の前に立ちます。
最近は10時頃に着きますが、昨日は友人に会うために休みました。
『使用中止』と言う張り紙がドアのガラスに貼ってあって電気もついていません。
嫌な予感がしてエレベータに乗り込んだ時、間借りのITの独り社長から携帯です。
行きつけの喫茶店にいるから来てほしいと言うことです。
「昨日大変なことがあったんですよ」
「シニアNPOの方針ですか?」
「夕方事務局の会議があって、私は出ていませんが、部長と事務長がぶつかったのです」
「やはり」
「フェイスブックは結局不採算覚悟で6人で教室を始めるのに、スポーツシューズの試着アンケートは相応しくないと中止を告げられたようです」
「あれは採算も合っているしもう始まっていますよ」
「部長も激昂されて倒れられて救急車で運ばれたのです」
「それで欠席裁判で決まりましたよ。夜に事務長に呼ばれてその話をされたので、さすがにむかついて部屋を出ることにしたのです。それでこれから友達の会社に間借りの話に出かけます。談話室は採算が合わないので閉めるらしいです。どうされます?」
やはりぬか喜びは禁物です。
「追い出されたわけだから」
「でもアンケートの仕事をどうします?」
「けじめはつけないといけないですね。そちらは続けられます?」
「これは失いたくないのです!」
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