第200話取引先の証人
今日はホテルの社長から頼みごとのメールが入ってきました。
それで教室が終わった後、社長の車で弁護士事務所に向かいます。
「すいませんね」
長テーブルに見たことがある社長が3人座っています。
「事実関係から説明します。ここにおられる専務が解任された翌月からホテルの運営事務所は本社事務所に移されて、しばらくしてホテルの社長が本社の身内に登記変更されました。その社長名で支払いをすべて停止すると通知が入ったのです」
弁護士が通知書を拡げます。
「大口先は4社でそのうちの3社がここにおられます。すでに合計8200万を払えという裁判を行っています。だが相手側は債務の存在を否定しています」
「この債務は確かにホテルの会社に存在しています」
それから2時間たくさんの質問を受け、私のUSBの中から証拠を出して調書をこしらえます。
「これは私と部長が全国を回って設備やリホームの現場写真を撮っています。その時の現地の支配人の回答も載せていますよ」
「それはありがたい!」
「それからこれは弁済が払えないので再分割してもらった表です。これについては第1回目は支払っていますから証拠になります」
どうも私を懲戒解雇してから資金繰りが全く回らなくなっての苦肉の策だろうと思います。
「窓口は?」
「不動産部長でしたが約束をほごにして解任されて、今は知らん存ぜぬの総務部長です」
「気になることがあります。次はこの運営会社を別会社に移すと思いますよ」
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