第198話長~い一日
やはり給料日を5日過ぎても賃金の仮払いが振り込まれてきません。
今日は職業訓練を休んで、準備通り法務局に本社の取引銀行の会社謄本を取ります。
その足で大阪地裁の仮払い決定を出した書記官室に飛び込みます。
「賃金仮払いの不払いに対する差押えをしたいのですが?」
私は1週間かけてネットで調べて作った書類を提出します。
受け取った職員の周りに人垣ができます。
40分経って、頭を掻きながら職員がすまなそうに言います。
「ここで受け付けた実績がなくてすいません。どうも新大阪に今から出かけてほしいのです。連絡は入れときました」
慌ててタクシーを捕まえて飛び込みます。
「差押えしますよ」
「今相手の弁護士と話しましたが、振り込みをすると言う確約は取れなかったようです」
新大阪に着くと息せき切って飛び込みます。
「こちらも実績がなく今ベテランの職員から手続きを聞きました」
若い職員が書類を出してきます。
どうもネットの書式が変わっているようで、訂正印を押しまくります。
「これから法務局に行けますか?相手会社の会社謄本とこの種類の切手と印紙がいるのです。6時まで受理をして待っておきます」
私は2度目の法務局の往復です。
膀胱の痛みも忘れる何と長い一日だったでしょうか。
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