第196話不信
今朝滲みるような痛みにトイレに入ったら、便器が真っ赤に染まる血尿です。
急いで病院の泌尿器科に予約を入れます。
内視鏡を入れて前回も同じ状態になったのです。
パートに出る女房とタクシーで病院に駆けつけます。
2時間余り待たされてようやく泌尿器科に入ります。
「検尿検査の状態では腎不全からくる血尿ではないですね。明らかに鮮血です。やはり膀胱か尿管から血が噴き出したようです。抗がん剤使用で膀胱は半分縮小していて無数に傷がある状態です。尿管も半分の大きさになっていて同様な状態です」
「内視鏡検査を避けることはできないのですか?」
「これが一番早期発見できる検査なので。取り敢えず抗生剤と痛み止めを出します。それから処置室でエポジンを打ってください」
どうも一生膀胱がんの検査は続くような気がします。
足を引きづりながら帰りは電車で帰ります。
またポケットの携帯のバイブレターが鳴ります。
「飲み会の報告です」
相棒の部長からの電話です。
「工事課長を除いて6人が集まりました。現職は3人ですが、2人はホテルに行くのを決めたようです。彼女は粘れるだけ粘ってみると言っていました」
「ホテルは続かないと思いますよ」
これは現場を知っているから私として薦めません。
「それで3対3の仲たがいですわ」
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