第182話背に腹変えれない

ホテルの社長が頼みごとがあると職業訓練の後喫茶店に来ています。

「このままでは食べて行かれんから、ホテルの会社の残っている仕事を嫁さんの社長の会社に移したいんや。登記とかは先生にお願いしているけど、きちっとした会社を作りたいので監修してほしいんや」

「親父さんに協力してもらったら?」

「いや、裁判が続くとだんだん疎遠になる」

「相変わらず板挟み?」

「何しろ本社からも親父からも訴えられている身やから」

「でも持っていたホテルは全部処分したと聞いていたが?」

「いや、嬉しいもんで昔からの取引先がホテルの管理の仕事を3棟回してくれている。本来なら親父のところを通すべきだけど背に腹変えられんわ」

そういう私も背に腹変えられん立場です。

「手伝わしてもらいます」

封筒に入った資料を受け取ります。

「ここだけの話やが相棒の部長が不動産部長を親父に会わせてくれと言ってきているが何かあるのか?」

「私にも話がありましたよ。どうも不動産部長が本社の社長を裏切るようです。係らないほうがいいと思います。彼はコロコロと立場をかえますから信頼できないですから」

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