第144話不透明なものが多い
やはりH署知能犯刑事から呼び出しがありました。
「昨日本社に任意で訪問してきました。社長にも会いましたが貴方ひどい評価を受けていますよ。いろいろ確認しましたが社長は全く情報を持っていませんね。それで社内に一番詳しいと言う総務課長から聞きました」
「それでUSBを見ていただきました?」
「いろいろ分かった部分があります。ホテルからの報告書も幹部会議も開いていないと念を押して言われましたね。逆にとんでもない盗聴テープがあると自信を持って言われましたよ」
「テープは聞かれました?」
「いや弁護士を通じて提出すると言ってました。会社ぐるみという感じですなあ。社長を引っ張っても知らないで押しまくりますな。こういう企業は結構手ごわいのですよ。まず、最初はホテルの社長から崩していきます」
彼は机に分厚い調書を広げて質問を始めます。
「貴方の言ったように会社分割の株主総会は開かれていない。三文印で作られた。ここまでは事実ですね。だがこの作業がされたとき少なくともホテルの社長は同意していたように思いますな。貴方の言うように訴状を見たあの時点での受け取り方はやも得ないでしょうな」
どうも今日は調書を取る気がなさそうです。
「だがもう一人の原告も同じですな。その意味では騙されてとうことになります。でもその貴方を全く否定して解雇するところが不自然なのが問題だね。なぜなぜというのが気にかかる。これは厄介な会社だよ」
どうもこの刑事は共同原告のホテルの社長を疑っている。
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