第108話訴状の調査
今回の調査は慎重に始めました。
私が出向する前に起こっていることでまったく予断もありません。
現在の取締役からの告発的訴訟です。
私は幸いに前の会社で3年程訴訟関連に携わっていた時期があります。
まず臨時株主総会を作成した社員からあたって行きます。
相棒の部長がリストに基づいて関係者を呼び出します。
まず当時の作業担当者は例の問題児の元経理の支配人です。
呼び出すと、青い顔で総会は開いていないことと、この取締役の承認もとっていないことに同意しました。
当時の司法書士も同様で本人確認せず三文印で作成したと答えました。
指示は息子が出したようですが、問題は社長の意志でされたかどうかです。
でも何か漠然と不安です。親子には意思疎通がありません。
この訴訟については事実だけを本社の社長に伝えています。
「先生どうですか?」
顧問弁護士を呼んでいます。
「今の調査内容と訴状だけで見ると、無効の訴えは筋が通っていますね」
その場でホテルの社長にも電話を入れました。
「・・・。総会は開かれていないのは事実です」
少し歯切れが悪いような気がします。
ようやく売り上げが軌道に乗ってきた頃なのに。
最近は昔調べた障害手当を読み返してしています。
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