第106話嫌な動き
女房の職業訓練のパソコン教室も今日で最終日です。
二人で大川沿いを淀屋橋まで歩くのも今日でお終いです。
「早めに上がるから夕食を食べよう」
「でもほんとに体大丈夫?来月から就職探すから」
最近睡眠が浅くなっています。
会社に出ると、社長がすでに椅子に掛けています。
「どうしたのですか?」
相棒は近くのホテルの故障の見積もりに直行しています。
「今月売り上げが初めて2億に乗ります」
と言って売り上げ予想表を見せます。
「1億6千万からのスタートですからね。経費も2割ダウンしていますから今月は初黒字になりますね。家賃の引き下げも始まりますから、計画的に分割払いを消化して、計画的に工事と設備に当てて行かないと」
給与の見直しも大きな反対に会わず、ランクごとに平等に配分しています。
「問題が起こっているのです」
社長は組織図を広げて新体制の支配人の派閥を色分けして説明します。
「髭の専務派が減って6名に、元専務派が2名、社長派が2名後は中間派です。それが元専務派が責められて妙な動きをしそうなのです」
「妙な動き?」
「あの元経理は本社の息子と1年ほど地方で仕事をした仲なのです」
裁判で負けた事件で息子も彼も呼び戻されて、彼が責任を取った形で本社を辞めさせられています。
「彼は思いもかけないことをしでかします。どうも最近息子とよく会っているようです。これは私の失敗です」
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