第74話本音で話をする
クレアチニンが下がったという精神的な安心感が出てきました。
「気を抜いたら駄目よ」
最近は腎不全対策の弁当を持って、京橋から大川沿いを梅田まで二人で歩きます。
仕事人間の私を見てきた女房にとって初めての平安な日々かもしれません。
とくに塩分には要注意です。
昼過ぎにホテルの社長が覗きます。
まだ女性陣とは犬猿の仲です。
「一度全国の幹部を集めてほしいのですが?」
「いいですよ。彼らも本社から部長が来られたので心配をしています」
「専務の他に何人おられるのですか?]
「今のところ専務を入れて7名で運営しています」
「実は社長の会社とこちらの会社の組織の垣根をしっかり作りたいのです。おそらく本社もそこに目を向けてくると思います。まず先手でこちらから実情を見せていきたいのです」
指摘を受けてからでは改革はやりにくいのです。
「家賃のことはどうなりましたか?」
どうもこれが社長の一番気にしていることのようです。
「運転資金の融資のOKを取りましたが、経費の見直しをしたいと」
そう言って、女性陣と作った経費圧縮プランを出します。
「この中に個人的に借り入れしているところがあります」
「だろうと思います」
この社長は正直です。
「もちろん二人で考えてみましょう。それと売り上げアップについて社長の意見を聞きたいです」
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