鬼のパンツ

今日は夜のデートだから勝負下着を着て行こう。勝負下着は鬼のパンツです。


おにーのパンツはいいパンツ 


すごーいぞー すごーいぞー


「こんにちは。」


「こんにちは。」


「居酒屋にでも行きましょう。」


「はい。いいですねー。」


チックタックチックタック



「ああ!!終電逃したわ!!」


「ホテルにでも行きましょう。」


「はい。いいですねー。」


トコトコトコトコトコ


「セックスをしましょう。」


「はい。いいですねー。」


ぬぎぬぎぬぎぬぎ


鬼のパンツが出てきました。


「あ!鬼のパンツを履いていますね!鬼のパンツを履いている人とはセックスはできません。」


「えー!!なんでですか?」


「鬼のパンツはいいパンツだから、汚してしまったら大変だから、汚してしまうと鬼がきてしまうから。この世の全ての鬼のパンツは鬼からレンタルしているものだから。」


と、彼は早口で言いました。


「ええ、そんなあ!!セックスしましょうよお。」


私が彼に覆いかぶさると、彼はあっという間に射精しました。


ドピュッ!!


精子が鬼のパンツにかかりました。鬼のパンツが汚れました。


「ああっ!!鬼のパンツが汚れた!!鬼が!!鬼が来るー!!」


「えぇっ!!来ないわよー!大丈夫よ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ.....ゴゴゴゴゴゴゴゴ.....


地響きがします....。


「えっ...なにこれ....なに??」


「下だ!!下からくるぞ!!」


「えええっ??」


バゴーンッ!!


鬼が来ました!!


床を突き破って、マジシャンが突然ステージに現れるように鬼が登場したのです。真っ赤です。ツノが生えています。


「ひぃーっ!!」


「お、鬼だーっ!!」


「鬼のパンツを汚したのは誰だー!!」


響く低い声に恐ろしくて私たちは身動きを取ることができません。威厳がある声です。


「ひっ........ひひっ.......。」


「ひっ........。」


「誰なんだー!!」


「ひっ.......。」


「お前、答えろー!!」


鬼は男を指差して言いました。


男は必死に考えました。どうすれば、どうすれば無事に帰れるのか.....。


「ひっ........せ、精子、私の精子です....。」


男が絞り出したセリフは、これでした。


「そうか、精子か!!精子めー!!」


そういうと鬼は私から鬼のパンツを剥ぎ取りました。


「ひぃーっ!!」


「精子め精子めー!」


鬼は鬼のパンツを持って風呂へ入って行きました。


ジャージャージャー!!


ゴシゴシゴシゴシ


「精子め精子めー!!」


どうやら鬼のパンツを洗濯しているようです。


ジャージャージャー


ゴシゴシゴシゴシ


「にっ、逃げるぞ!!」


「は、はひぃっ!!」


わたしたちはその隙に逃げ、ことなきを得ました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る