家族構成
「ええと、貴子さんの家族は何人いてどういう構成なのかな?」
白衣を着た優しそうな先生。貴子さんの目を見て落ち着いた声で言います。
「はい。私の家族は全部で四人いて、全員お母さんです。」
貴子さんも柔らかな笑顔で答えます。先生を信頼しているのが伝わってきます。
「珍しい家族ですねえ。じゃあ、貴子さんもお母さんなのかな?」
「はい。私もお母さんです。」
「なるほどねえ。」
カリカリカリカリ
先生はカルテにペンを走らせます。
カリカリカリカリ、カリカリカリカリ
カリカリカリカリ、カリカリカリカリ
「お父さんはどうしたのかな?」
「お父さんはお母さんです。」
「なるほどねえ。」
カリカリカリカリ、カリカリカリカリ
「子供はどうしたのかな?」
「お母さんはお母さんを産みます。」
うーん。先生は悩んでいるよう。
「あのね貴子さん。お母さんというのは絶対的なものではなく相対的なものなの。産まれた人間がいつかお母さんになるとしても、産む、産まれるの関係では産んだ方がお母さんで産まれた方が子供なのよ。」
「ふーんだ。」
貴子さんはそっぽを向きました。不貞腐れてしまったようです。
「ごめんね貴子さん。私は真実を言ったまでよ。」
先生は申し訳なさそうに言います。子供相手にやり過ぎてしまったかな....。反省の色が見えます。
「じゃあさ、今度は先生の家族構成を教えてよ。」
貴子さんがむすっと言いました。
「私の家族は全部で四人いて、全員お父さんです。」
先生は答えました。
「へえ〜。先生もお父さんなの?」
「そうです。先生もお父さんです。」
「へえ....。お母さんはどうしたのかな?」
「お母さんはお父さんです。」
先生はキリッと答えます。
「へえ〜.......。」
先生の家族と貴子さんの家族はセックスして子供の家族を作りました。
完
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