大家さん

 今日からこのアパートに住むのだ。大家さんに挨拶をしに行かなければいけない。人と人の繋がりは大切だ。大家さんは一階の隅の部屋に住んでいる。ここだ。101号室。なんのへんてつもない部屋だ。


「ピンポーン。」


「はあい。こんにちは。」


 扉がギィッと開く。優しそうなおばさんが出てきた。


「あ、どうも。今日から住むことになった、たかしです。」


「あ、どうもよろしくお願いします。」


「これ、つまらない物ですが、ベイブレードあげます。」


「あ、どうも。昔のやつですか?マニアに高く売れそうですね。ありがとうございます。」


「いいえ、このベイブレードは数えきれないほど売られているのでマニアにも高く売れません。」


「へえ、そうなんですね。じゃあいりません。」


「わかりました。」


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る