マジック

 てれれってれ〜〜〜、てれれってれ〜〜〜


 スプーン片手にテレビに映る天才マジシャン、ジョン・ジョンソン。スマートな紳士っぽいです。ひな壇芸人達が見守っています。


「マジックをしま〜〜〜す!!スプーンに注目してくださ〜い!!」


 いえ〜〜〜〜〜い!!わーわー!!かっこいい!!かっこいい!!


 盛り上がる芸人達。


 ジョン・ジョンソン氏はスプーンをじっと見つめています。


 ジジジジジジジ(見つめる音


 今にもスプーンが爆発しそうな、そんな雰囲気です。眉間に皺が寄っています。


 ジジジジジ、ジジジジジ......


「終わりました。」


 ジョン・ジョンソン氏が言いました。得意げな顔をしています。しかし、なにも変化は見られません。


「え、え?」


「スプーソ、なにも変わってないぞ。」


「んん、スプーソが折れるとか、そう言うのかと思ったのに?」


 芸人達から上がる不満の声。しかし、ジョン・ジョンソン氏はあいも変わらず得意げな顔をしています。


「あっ!!」


 芸人が何かに気づいたようです。


「スプーソ〜〜〜〜〜!!!」


 完

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