スカイタイプ

 ヒュンヒョンズゴゴゴー、ヒュンヒョンズゴゴゴー


 街をイカ星人が破壊している。大変だ!大変だ!


 ヒュンヒョンズゴゴゴー、ヒュンヒョンズゴゴゴー


 ドッシーン


 ジュワッチ


 正義の巨人、ヒュルヒョラマンが、ドッシーン。ヒュルヒョラマンはいつもどこからかやってきて、街を破壊する怪獣たちをぶちのめしてくれるのだ。


 パンチ!パンチ!


 ヒュルヒョラマンのパンチ!


 いかっ!いかっ!


 イカ星人、痛そう。どうやら地上では勝ち目がなさそうだ。


 ヒューーーー!!ヒューーー!!


 地上戦を諦めたイカ星人。空に逃げる。


 ヒューーーー!!ヒューーー!!


 10本の足をなびかせ縦横無尽に空を駆け巡るイカ星人。ヒュルヒョラマン、このままではイカ星人を逃してしまう。タイプチェンジが必要だ。


 ピカピカピカピカリン、ピカピカピカピカリン


 光に覆われるヒュルヒョラマン。きっと空での戦いに特化したスカイタイプになるのだろう。


 ピカピカピカピカー


 光が徐々に弱まっていく。


 ピーカ、ピーカ、ピーカ、、、、


 光が弱まり、シルエットが見てくる。やけにまあるい。何故だろう、何故だろう。シュシュシュシュシュ。光が完全に消えると、そこには巨大なスイカがゴロンと転がっていた。ヒュルヒョラマン、スカイタイプと間違って、スイカタイプになってしまったのだろう。


 ジュギャジュギャジュギャギャー


 ヒュルヒョラマン、あっという間にイカ星人に食べられてしまった。そう、戦いの世界では一瞬の気の緩みが命取りになるのである。ヒュルヒョラマンがいなくなった今、イカ星人を止めるものはいない。地球の生態系は激変し、イカ帝国になった。


 完




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