外道
「‥‥‥なぜ‥‥‥だ?」
背中にツーハンデッドソードが突き刺さり、己の作った血だまりの中でうつ伏せに倒れているラザレスが息も絶え絶えに言った。ともすれば聞き逃してしまいそうなほどに小さな声だったが、アーロンがそれを聞き逃すことは無かった。
「‥‥‥何がだ」
「‥‥‥な‥‥‥ぜ。民間人を巻き込んでの‥‥‥クッ‥‥‥テロなどを‥‥‥」
瞳のみをアーロンへと向けて、今にも消え入りそうに、だが込められるだけの憎悪を込めて言葉を発するラザレス。
アーロンは彼の傍に立ち、見下ろしつつ、一抹の罪悪感を滲ませる表情にてわずか答えた。それはアーロンが入団してからの二年間、右腕として様々な仕事をこなしてくれた彼への、せめてもの手向けであったのかもしれない。
「王子への‥‥‥復讐のため」
「外‥‥‥道‥‥‥が‥‥‥」
その言葉を最後に、ラザレスは動かなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます