第211話 運命の対談
三種神器
俺の神衣は確かに強かった、ポセイドーン達が苦戦していた敵を意図もたやすく撃破できた。
一瞬だった・・・・
「時間だ! 死ね」
「舐めた事を死ぬのは貴様だ!」
「もうひとつの必殺技、食らってみるか? 瞬天華!」
天夢斬に対してこの瞬華は威力重視の技だ、天夢斬は俊足で抜刀し、魔力を速度に変えるのに対して瞬天華は抜刀前の鞘に魔力を溜め込み抜刀と同時に解放、辺り一面を天の叢雲に乗せてなぎ払うと言う技だ。
ドッガーーーーーン!!
「大和!!」
「う~ん・・あれは凄い爆発だね~・・・塵一つ残ってないようだよ」
「に・・兄さん・・・」
「親父は強かった・・・母ちゃんの前で親父を侮辱する奴は緩さねーー!」
「健ちゃん・・・いいのよ、ママは健ちゃんが無事なら・・・シャマシュは望んで健ちゃんに未来を託したの、しばらく離れてて忘れていたわ! この人がこういう人だってことを・・・健ちゃん、、、シャマシュわね?」
「いいよ母ちゃん、わかってる、こんな所でグダグダしてたら親父に申し訳たたねえよ! 俺は平気だ!」
「健ちゃん!!」
母ちゃんは俺を強く抱きしめてくれた、俺が親父を手にかけた事で俺が苦しむ事を心配してくれてたんだろう、そうだよな、、、俺はいつも母ちゃんを悲しませてきたんだって、親父が教えてくれた。
二度と同じまねはしねー!
ガラガラガラン
「旗色が悪くなっているようだね、、これは引き時か・・」
「マルドゥーク、テメー生きてたのか」
「あんなので死ぬわけないだろ?」
「それで? どうするつもり? 一人で私達と戦うの?」
「まさか、それほど愚かではないさ、アグディスティス・・・大体君達がやろうとしている事は想像がついた、邪魔するつもりは無い、だからここは見逃して貰うよ!」
「あ! 待ちなさい!!・・・消えた、転移したのね!」
「構う事はない、久美、今やるべき事は奴を追い詰めることではない」
「ああ、ハデス・・・最後の仕上げだ! 母ちゃん、やろうぜ!」
「ええ、健ちゃん!」
俺と母ちゃんは月を背に飛び立った、母ちゃんは膨大な魔力で全ての者へ念話を送る
「聞くがいいナンム及びアーディティヤの者達よ! 我が名はキュベレー! 今より我とその子大和健で月の軌道を変える、変えた先の軌道はニビル周回軌道上だ!」
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ニビル内戦闘区域
「馬鹿な! そんな事が出来る訳が! あそこにはマルドゥーク達がいるはずだぞ!?」
「ようやく間に合ったのね・・・」
「そうですねアテーナー様」
「何を企んでいた!」
「馬鹿ねインドラ、ここに健様やアグディスティス様、ハデス様といったこっちの切り札が揃っていない事で察しなさいよ?」
「インドラ! こっちは陽動だ!!」
「何!? アテーナーやスクルドと言った戦いの女神を陽動に使うのか!?」
「ぶっちゃけ私もそこには驚かされたけどね? 私達が陽動に使われるとか・・・」
ニビル本星に攻め込むのは浩二の立てた陽動作戦だった。
月をニビルの軌道に乗せる事がばれない様にするために態と本隊を送り込んだのだ、ニビルの起動上に月を乗せれば当然本隊も巻き込まれるからそれを思いつく者はいない。
「馬鹿な、そんなことをすればお前たちもニビル崩壊に巻き込まれるぞ! ハッタリだ!」
「馬鹿ね? この軍に人間はいないわよ? 転移出来ない神も全員転移石持ってるもん、転移陣は既に地球に敷いてあるし? 巻き込まれるのは貴方達だけよ!」
「ハッタリだと思うのならあそこに見えるあれは何だと思います?」
「月だ!! インドラ! 月が動いている!!」
「んな! 本当にやるつもりか!?」
「じゃあね~! 私達逃げるわね? さようなら~!! 撤退!!」
共和国軍は我先にと転移をしていった、取り残された者は全てニビル軍だけだ、勿論これも全て事前に立てた演技である、実際にニビルに月を落とす様な事はしない、だがこちらの本気度を見せるには一度月を本当にニビルの起動に乗せる必要があった。
そして天に響く声・・・・
「まて!! アグディスティス!! 月を戻せ!」
「ベール、、、誰に向かって命令していると思ってるの?」
ベール・・・最大の敵、この声があのベールか!!
「月を戻せ、今回は我等の負けだ、お前達と会談しよう、だから一度月を戻せ」
「どうする~?けんちゃん、、あんな事言っているけど~?」
「わかりました、では会談に応じましょう、ただ会談は地球で、双方3人のみで行う、これが条件です! 楓ママは申し訳ありませんがそこに残ってください。まだ僕はベールを信用していません、いつでも月を動かせる様にしていてください。たけちゃんは一度こっちに戻って! それとポセイドーン様たちは楓ママをそこでフォローをお願いします。」
「解った!」
「抜け目の無い奴よ! 我もナンムが最高神の一人、戦うならば姑息な手段は使ったりせぬ」
「でしょうね、ですが人間は疑り深い生き物でして・・・それは創った貴方達が一番知っている事でしょう?」
「まあ良い、では場所と時間を言え」
「今から1時間後、場所はラムー、シオン幣立神宮で」
熊本県山都町、阿蘇の山にほど近く、九州のおへその辺りに位置する場所に
隠れ宮であるこの神宮は現在ガイドブックにも載ることはなく、一般にはあまり知られていない。
しかしその歴史は古く、15000年も昔からあるとか…。その実この時代からあった。
神武天皇の孫である健磐龍命たけいわたつのみことが、この地で幣を立て宇宙から降臨された神々を祀ったことが始まり、と伝わっている。
そして人々はここから世界に散らばった、という伝説まであり、その証として毎年8月23日に五色神祭と言う祭りが現代でも行われている。
五色神祭とはかつて世界人類の祖先、赤・白・黄・黒・青色の人々が集い、御霊を和合するための儀式を行ったという伝承に基づく神事。
現代では5年に一度大祭が行われている。
「じゃあ行ってくるわ! 久美、朔耶、アルテミス、母ちゃん、待っててくれ!」
「地球の事、頼んだわよ?」
「ああ、任せろ! ルチル、転移を」
『はい! では行きます!』
そして俺たちは幣立神宮に来た、こちらのメンバーは俺、浩二、朔の3人だ。
そしてニビル側はベール、マルドゥーク、ネルガルの3人。ネルガルは冥界の最大の統治者だ。
「まさか我等の会談の席にここを指定してくるとはな・・・」
「貴方方が最初に降臨された場所でしょ?」
「人類には高天原だと教えたはずだがな?」
「嘘はいずればれる物ですよ」
「我等に対して嘘と申すか!」
「やるのか? でかいの!」
「よせ! ネルガル」
「たけちゃんもここは抑えて・・・」
「中に朔母上、アプスーと言った方がよろしいですかね? お待ちですよ!」
「そうか、アプスー様をお待たせするのは恐れ多い、行こう」
こいつらの行動がいまいち理解できねー、、恐れ多いのは朔相手に戦ってるほうじゃねーのか?
「お久しぶりです、アプスー、まさか転生されているとは夢にも思いませんでした」
「白々しいのうベールよ、随分と手間をかけさせてくれおる。未だに人間の洗脳を諦めておらぬとは・・・」
「お言葉ですがアプスー、これは評議会での決定事項、全ての宇宙の運営は評議会で決めると取決めされたのはアプスー様、貴女です」
「評議会からニンフルサグを追い出し、イナンナを評議会に呼ばず、お主に都合の良い者だけで決めた事など…………最早評議会になってはおらぬ」
「ニンフルサグは自ら出ていったのです、それにイナンナは評議会員では有りません」
「パルスーを引き継いだ時点で評議会員じゃ!」
「パルスーはエアの物であって、イナンナの物では有りません。エアの居ない今は本来評議会で持ち主を決めるのが筋、イナンナはエアから強奪したのでしょう。あれはナンムの宝、取り戻さねば成りません」
「ならまた戦争でも再開するか?」
「主人殿、今はその時では無い、それにこれ以上この件での問答は無駄のようじゃ…………」
「では早速本題に入りましょうか」
ここで最終局面が決定する。
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