第202話 全ての仕組

真犯人は浩二でした


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本文


現在俺達はニビル側使者と会見中だ、健二主動で行っているだけに、此方に取っては都合がいい。


「解りました、この者の発言を認めましょう…………」


「では確認です、洗脳はしないとの事ですが、それは宗教やマスコミ、教育等の神側からの働きかけを含めてと解釈して良いのでしょうか?」


「…………人間が独自に行う物は規制することはしないが、此方から働きかける事はしない」


「当然です、人間が独自で行うのを規制すればそれは一つ間違えれば洗脳の幇助と為ります。では神側からの働きかけはしないと解釈します。母上、僕からの確認は以上です」


「うむ、ではロキ、続けよ」


「は! では次にこれは二つとも同じ意味ですので纏めて確認致します。健大和の持つパルスーは我等には必要有りません、其は健大和を我等が王と認めるからです。よって健大和をパルスーを持つ王と推挙致します。」


「ではその部分でも幾つか確認したい所が有ります。」


「うむ、良いで有ろう」


「先ず現在のパルスーの正当な保持権原者はイナンナです、そしてイナンナはパルスーを守るために所持者を複数に別けて持たせて居ます。先ず十戒と八咫の鏡を帝に、勾玉を帝の妹ナーナに、剣をイシュタルに、又イシュタルの分身であるルチルに使用権限を与えて居ます。

そして使用者を健大和が担って居ます。

詰りこの者達全員が揃って初めてパルスーは本来の力を出すことが出来るのです。

万が一この者達へ危害を加えようと言う者が現れた場合、其は今回の盟約違反者として裁く事はそちらはお認めに成ると理解して宜しいでしょうか?」


「………………」


「どうなのじゃ? 答えよ!」


「難しい質問ですね…………」


「何処がでしょうか?」


「勿論我等ヴォーダンやオリュンポスの一族は盟約違反と成るでしょう。ですがパルスーを狙っているのは解っているだけでもナンムの一族数人が降ります。この者達を持って盟約違反とされるのは我等としても心外となってしまいます」


「其はもっともです、私が確認したいのは其方に取ってそう言う不届き者が現れた場合、盟約違反者として裁く事を承知しておられるか? と言う事だけです。当然パルスーは神々の地球での絶対権限を持つ物、信じてはおりますが私達の中にも、そちらの中にもこれを狙うものがこの先絶対出ないとは言い切れないでしょう。詰りその時に明確に盟約違反としてその者を裁く事が、双方で理解しておいた方が良いと思うのです」


「成るほど…………そう言う事でしたか、其ならば当然です。要らぬ争いを持ち込む者は当然排除して然るべきです。我等からそう言う不届き者が出た場合は盟約違反者として相応の裁きを受けて当然です」


「解りました、次に王命についてはパルスーに準ずる形で良いのでしょうか?」


「当然です、そして王もパルスーに従って地球を運営していくのが筋だと心得ます」


「よく解りました、僕からは以上です」


この後様々な細かな取り決めをして、お互いで持ち帰り地球側とニビル側の一部との共和国設立が極秘利に進められた。

過去の歴史の中でも今回が初めてだそうだ、だからこそ大きく歴史が動かない様に慎重に事を進めなければならない。

俺達は一度シオンにて会議を開く事になった、神々が来ているという事で、街はちょっとしたお祭り騒ぎになっている、情報と言う物は隠していてもどこからか漏れる物だと改めて感心した。

そして主要な者達で会議が開かれようとしていた。


「この時代は本当に神と人が共存していたんだな、神が来ているってのに心臓発作とか起こす奴いねーもんな?」


「いやいや俺達の時代でも心臓発作起こす奴はいないでしょ!! どうせホラ話しって思われるだけで」


「まあそうだな、神が来てるとかって真顔で言ったら多分病院に連れてかれるレベルだよな・・・処で浩二・・・・」


「さて、会議の資料を・・・・」


「急がなくていいのよ? 浩二兄さん? あたしも手伝うし・・・その前にとっても大事なお話があるでしょ?」


「そ・・・・・そうだっけ?」


「とぼけてんじゃねえよ!!」


「ん~~~~~~~仕方ない・・・たけちゃんの想像通りだよ・・・・本当は全部俺が仕組んだんだ…………」



「どの辺りからだ」


「今回の最初から・・・かな?」


「やっぱり全部テメーか!! ナンナを使って久美を呼ぶ様にナーナの夢見を操作して、俺の事を呼ぶ様に陛下の夢見を操作した! 母ちゃんを楓、朔を使って焚き付けさせてこの時代で俺と会うように仕組み、ルチルを俺の転移先の戦場に態と送り出す様に仕組んだ! ラフィーネ達が住む街に近い戦場に俺の転移先をイナンナに指定させて俺が育つ様に態とシオンから遠い場所に転移先を選んだんだ!」


「ご名答・・・ただ俺の読みから外れていた事が一つ有ったんだ、嬉しい誤算だったけどね」


「アンナとシエラか・・・」


「そう、彼女達の存在は多分・・・・ポセイドーン様、貴方ですね?」


「まことに恐ろしい男だな・・浩二殿、おぬしは・・そう、アンナとシエラは我一族の者、大和よ、お前と同じ覚醒前のティアマト人だ。記憶が引き継げぬ故自分が何者かいまだわかっていないが、テティスとプサマテーだ」


「て! マジかよポセイドーン!! お前の妻アムピトリーテーの姉妹じゃねーか!」


「流石よく知っているな・・・ならば彼女達の悲劇も知っていよう」


「ああ、テティスはトロイア戦争の引き金になった事件に巻き込まれた、プサマテーは息子が殺害されたんだったな・・・」


「彼女達にはアムピトリーテーからの強い願いでお前の妻となるように仕組んだんだ。同じ悲劇に見舞われぬようにな、今回でそれも逃れられよう、大きな歴史改変にはならないと思う、トロイア戦争はテティスの結婚式以外でも起こる事はわかっている。そして彼女たちはお前の助けにもなったであろう?」


「ああ、てか助けどころかあの二人がいなければ俺はここまでこれなかったさ、マジでもう俺の宝だ」


「アムピトリーテーに変わり感謝しよう、彼女達を大切にしてやってくれ、今回で彼女達も覚醒するだろう、お前の時代に行ってもお前を求めて来るだろう」


「は~・・・何か今回の事怒るに怒れなくなったじゃない・・・ポセイドーン様まで絡んでるんじゃ・・・」


「いや久美、我も浩二殿が様々な仕込みを行っていた事は知っていた。だからうまくそこにテティス達を潜り込ませたんだ。我もお前に怒られる事は覚悟の上だ、敢えて苦言は受けよう」


「もういいですよ、結果的に望みは叶った訳だし・・・・」


「まあな・・・しかし浩二、結局ノアは起こるんだよな?」


「そうだね、でも被害はそうとう抑えられると思う、その為にも今はこの共和国は完成させとかなきゃならないんだ。ただ問題を先送りにしなきゃいけなくなると思う・・・・・

実はポセイドーン様、ハデス様、アテーナー様達数人には申し訳ないけど転生してもらいたいんです。」


「とんでもない事をさらりと言うな? 浩二殿は・・・」


「それについてはのう、妾達からの頼みでもあるのじゃ、皆が集まってから話そう」


「アプスー様、ティアマト様!」



そして主要なメンバーが揃い、会議が行われた。この会議は3か国が集まるサミットではなく、サミットの前の神とムー帝国主要メンバーのみの会議である。

出席者は十二神に列席しているポセイドーンとアテーナー、アポローンとアルテミスの4人とスクルドとフレイア、ムー帝国からは俺と陛下、ナーナと久美、朔、桜、健二、そしてマルティア、ルチルで行われた。


「司会は私アンナが務めさせて頂きます、それでは皇太子殿下、お願い致します。」


「では今回の会議内容については一切の秘密厳守でお願い致します。故に今回は記録も残してはおりませんのでお願い致します。そしてこの部屋はハデス様の結界が敷かれており、入り口からは亜空間になっておりますので傍受もできませんのでご安心ください」


「私の結界にはゼウスもオーディーンも入ってこれん、この空間は孤立した空間になっているので安心されよ!」


「また随分とまずい話をするみたいだね~、僕はここにいるのは少々疲れそうだよ・・・」


「アポローン様、貴方にはすぐに楽しい事になるはずですよ? まずは僕の話を聞いてください!」


「それは本当かい? 楽しみだ!」


「浩二! 兄さんをあまり甘やかさないでね? 惚ける様なら私が殴り訊かせるから大丈夫よ!」


「おお・・・・アルテミスよ! そんな乱暴な事じゃ大和君に貰ってもらえない・・・」


バキ!!


「ポギャ!」

「黙れこの腐れ外道!」


「・・・・・・大和と久美だな・・・」


「・・・・・で・・では話を初めていいでしょうか?」


こうして未来へ向けての秘密裏の会議が開始された




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